元衆議院議員(茨城県第6区)[無所属]大泉ひろ子オフィシャルサイト -大泉ひろこの徒然草(つれづれぐさ)-
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日々雑感
[2024/06/27]
失われた東京



 浅草の浅草寺は外国人でいっぱいだ。初詣などは、日本人よりも多く、参拝に並ぶ行列からは、さまざまのアジアの言語が聞こえてくる。外国人は「安い、安い」と喜び、円安で伝統ある東京滞在を楽しむ。
 他方で、虎ノ門ヒルズや麻布台ヒルズが新たに登場し、高さを競うタワマンもニョキニョキ立って、コンクリートの城が東京の勢い止まずの印象をもたらしている。集まる人々が、あるいは巨大な城が、誇るのは、終戦後から復興を続けた東京という努力の街だ。
 しかし、待てよ。日本が劣化しているのと同様、東京にも劣化が既に始まっている。南海トラフ大地震が襲ったら、北朝鮮のミサイルが降ってきたら、どこに逃げるのだ。神宮の森や皇居やいくつかの候補地はある。だが、都が防災・防衛の具体策を人々に伝えているだろうか。否、である。
 マンションの価格が平均1億円を超えた首都で、買えるのは、日本人ではない。武田薬品の外国人社長の年収は15億だそうだが、先端のITやバイオからとり残された従来型の中小の社長は、一連の賃上げ圧力にすら応えることはできない。
 幼少時から巻き込まれた受験戦争の果て、一流大学を出ても、夢見るは外資系企業。官僚は消極的選択、政治家は選挙での一発目当てばかりで、永田町と霞が関は無能の集団、活気から取り残されている。
 東京をどうするのかを問うのが都知事選ではないのか。経済的にも、物理的にも、安心、安全の街をどう築くのかが争点ではないのか。若者の夢を育む政策が最も求められているのが東京ではないのか。
 少子化政策にマイナーであり医学的にも問題がある無痛分娩の補助を唄う小池さん。相変わらず何を言っているのか不明で、ただ眉間にしわを寄せて「何でも反対、私は挑戦する」の蓮舫さん。実践的には聊かましだが、どこまで追い上げられるかの石丸さん。都民の思いとずれてはいないか。
 都知事選が終われば、岸田おろしが始まり、意外性のない「やっぱりそうか」の総理が出てきて、海図なき日本の運営が続けられることだろう。失われた東京、失われた日本の始まりが2024年である。

[2024/05/17]
新たなフロンティアと国益



 過日、白山義久京大名誉教授のお話を聞く機会を得た。題は「国家管轄権外区域の海洋生物多様性(BBNJ)の保全及び持続可能な利用に関する新協定」についてである。
 耳慣れない題であるが、簡単に言うと、公海の資源保全の協定ということだろう。国連が音頭を取り、23年6月に正式に採択され、60か国が批准してから発効される。日本はまだ、署名も批准も検討中である。シンガポールや環境政策重視のドイツが先導役を務める。
 これまで海洋法については、領土の沿岸に当たる領海や排他的経済水域が定められ、生物多様性条約において、沿岸国による管理が規定されている。しかし、公海については何も定めがなかった。
 日本は、途上国が公海での生物多様性は人類共通の財産であると主張するのに対し、共通財産は海底鉱物資源に限るとしている。また、公海でのモニタリングには膨大な費用が掛かることを懸念する。しかし、海洋国家日本がいずれ署名・批准することは容易に予想される。海洋遺伝資源から医薬品の開発などの便益が得られることも分かっているのである。条約締結国のコスト負担や便益の配分などの検討が急がれる。
 何よりも公海という未知のフロンティアが存在していたことに驚く。宇宙開発については既に1967年に宇宙条約ができていて、昨今では、アメリカのみならず競争して宇宙のフロンティアに向かう国々が増えた。一方で人口爆発を憂慮し、他方で人類が使える未開発の資源や新たに住める惑星などがあるとしたら、フロンティアに向かわない手はない。
 これまでも、各国が協力し、あるいは競って南極調査を行ってきたが、公海に眠る便益を各国合意の下に、日本が積極的に求めていくことは望ましい。資源がなく人口減少の国日本は、国益として取り組むべきである。日本は、従来、科学が導くフロンティアに関し、政治が消極的だった。洋上風力発電も、CCS(二酸化炭素分離貯蔵技術)も、宇宙太陽光発電も、国際リニアコライダーも、学術者からのアイディアに政治が積極的に乗り出すことはなかった。
 下り坂の日本と言われているのを甘受せず、国益のために、公海にでも、新しいフロンティアにでも、出て行って勝負する日本でありたい。検討倒れと遅延はやめてほしい。 

[2024/04/26]
党首を替えよ



 衆議院補欠選挙が迫っている。総選挙の前哨戦と呼ばれるが、否、結果は既に明らかである。自民党は負ける。
 そこで、岸田首相の破れかぶれ解散につながるとの見方が強い。岸田首相は、国政よりも自民党よりも、自らの保身を優先する。総裁選前に総選挙ができなければ総裁を続けること自体が難しいのだ。
 自民党が少しでも有利に戦おうとするなら、党首を替えるしかない。どこかにダークホースはいないのか。安部派つぶしにとどまらず、伝統のリベラルを捨てた宏池会、またぞろ世襲にこだわる二階派、トランプに尻尾を振りに行ったオッチョコチョイの麻生派を「ぶっ壊してやる」と勢いよく出てくるダークホースもいないとしたら、自民党の人材払底も甚だしい。
 そのダークホースにならんとした小池百合子は東京15区からの出馬をあきらめ国政復帰を見送った。それもそのはず、再燃した学歴詐称が今回ばかりは握り潰すことができない。偽の卒業証明というエジプトからの恩を買った小池は、他国エジプトのエージェントであり、国政に出ることは憚られる。政治家として都知事に留まることも許されない。
 それにしても、自民の逆風を自らの順風に置き換えられない野党のだらしなさも目立つ。もし政権交代を勝ち取りたいなら、野党もまた党首を替えるべきである。立民は、無学無策のアイドル党首に、極左的女性議員が取り巻き、バックには民主党崩壊の罪人たる顧問が大勢いる。
 最近、米山隆一議員の舌をまく質疑の雄弁さが報道されている。岸田首相は照準のぼけた答弁をひたすら読み、松本総務大臣はしどろもどろの答弁。なんだ、立民にもまともな議員がいるではないか。石橋湛山の小日本主義を唱える篠原孝など、腐りかけた幹部の背後にまともな議員も少しはいる。世の中の賛同を狙うなら、野党も党首を替えよ。替えねば、誰も政権交代を望まない。自民・維新連立の方がまだましだ。
 米国大統領選挙もおじいさん同士の戦いで気の毒だが、このままいくと、日本は腐ったもの同士の戦いになり、もっと気の毒な状況になるだけだ。

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